稼働中の総合病院での居抜き工事について解説します
私が14年間事務所を構え、戦い続けた実績から情報共有します
これをマスターすれば居抜き工事のスペシャリストになれます!
2回に分けて投稿しますので、今回は総合病院の基本を学びましょう
目次
・総合病院の基本と心構えや考え方
基本的に病院内には、医師、看護師などの医療従事者の他に、院長、総務の運営側
もちろん通院や入院をしている患者さんが居ます
エリアとしては大きく分けて、第三者がいる外来エリア、入院エリア、治療エリア
病院側の薬剤部、検査部、手術部、部長室などのエリアに分かれます
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・病院施設工事の基本
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まず初めに、患者さんの立場になって考えてみましょう
自分が病気や怪我で調子が悪い時に、大声を出されたり
ヘラヘラと笑っている姿を見ると、余計に気分が悪くなりますよね
心身ともに弱っている状態ですので、被害妄想にも陥る場合があります
ちょっとしたことが気になってしまい、クレームを出す事もあるでしょう
なかなか回復しないジレンマを、誰かに八つ当たりしたくもなるでしょう
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また、自分の家族が入院している時に工事をしていたら、「ツイて無いなぁ」
「タイミング悪いなぁ」とか思いますよね
これが一般的な感情です
この事を考慮し配慮しながら、工事を進めなくてはいけません
もう既に大変とだ思いますよね・・・(汗)
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・心構えと考え方
と言う事で、何処にコミットするか?ポイントの説明です
現場の作業員へしっかりと教育しておかなくては、大変な事になってしまします
病院としても現場側としても、一番に配慮するべき対象は患者さんです
次に配慮すべきは看護師さんですが、その前に院内では「神」扱いされている
医師を外す訳にはいけません
絶対的な力を持っていますので、工事の内容についても
鶴の一声ではないですが、医師から意見が出れば対応しなければいけません
すぐに設計変更の対応をして、変更金額を算出し、総務へ相談する事が必要です
とは言え、病院は看護師さんメインでの女流社会です
看護主任、看護師長などの看護部とコミュニケーションが取れていなければ
工事は出来ないと言っても過言ではありません
何をするにでも、看護部へヒアリングし、相談や調整してもらいながら
工程管理をする事になります
私は長年同じ病院に居ましたので、看護主任だった方が看護師長になり
副看護部長や、総看護部長になっていく姿を見ています
そうした中でコミュニケーションを構築し、現場運営をしていました
地下にある電気室や設備機械室以外は、すべて看護部が絡みます
作業員の移動経路も機器や資材の搬入もそうですが、医療従事者と動線が同じです
患者数も確保しなくてはいけないので、工事エリアを大きく区画する事は至難の業です
通路を狭くすれば車いすが通れないとか、通路の床に延長コードを這わせれば
躓いて転ぶからダメとか、必要以上に様々な問題と規制が生じます
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仮設計画にはとても気を遣います
入院病棟の室温は、パジャマ姿で居る患者さんに合わせているので、
窓の明け放しなどで温度が下がる事を嫌いますしね
常に人が居るので、廊下の曲がり角や扉の開閉時に、 患者さんが居ないか
医療従事者が居ないかを確認し、移動する事も大切です
患者さんはゆっくり移動します
医療従事者は早歩きで移動します。そこもポイントです
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患者さんが居ない検査室では、様々な検体や常に稼働する撹拌機などの機械があり
当然の事ですが埃を嫌います
手術室もそうですが、清潔エリアと言われる部位は特に気を遣い
服装や靴、工具、足場関係も除菌シートで拭いてから持ち込みます
厨房も衛生管理をしっかりしなくてはいけません
作業員全員に検便を実施し、菌が無い事を確認してから入場許可を出します
これ以外にも、新生児室・分娩室も一般的に考えても気を遣いますよね
個人的に嫌だったのは、解剖室・標本室と霊安室ですけど
誰しもそうでしょうけど、気持ちの良い場所ではありません
もう一つ、頭に入れておかなくてはいけない事があります
個人病院ですと、院長先生=オーナーですので判りやすいのですが
総合病院では、医師や看護部の医療従事者と、病院の経営運用をする
院長や事務長等の 事務系の2本柱になっています
発案や希望を言うのは医療従事者側で、お金を握っているのは事務系なのです
ですので先ほど説明したように、医師からの要望があった場合は
すぐに事務系と打ち合わせして、承認を得なくてはお金を請求できないと言う事です
ここが判っていないと、施工してもお金が発生しない、やり損と言う事になります
まだ障りの部分しか説明していませんが、総合病院での工事が 如何に大変か
お判りいただけたでしょうか
今回はここまでにします
これだけでもかなりの情報量ですもんね
ちなみに・・・
この総合病院で稼働状態のまま全館停電作業や全館断水作業も経験しました
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・今回のまとめ
患者さんは被害者意識が高い(自分に置き換えて考えましょう)
病院では患者さんを一番に考えなくてはいけません
その為には看護部とコミュニケーションが取れていなくては大変です
看護師さんには気に入られる様にしましょう
部課によって注意点が変わりますので、ポイントを把握する事が大事です
総合病院は医事と事務系の2本柱なので、着工前にやるべき事を覚えておきましょう
(医事系から工事の依頼が来ますが、事務系がお金の取り決めをします)
今回はこんな感じです
次回は総合病院の消防検査編です
患者さんが居るのにどうやるんだよ?って話です
それではまた!